焼火神社

西ノ島 ・ 隠岐の島

島前・島後と書いて、どうぜん・どうごと読むそうです。
このどうぜんの中心にあたるのが焼火山(たくひやま)。
長い長い噴火活動の果てに出来上がったカルデラと呼ばれる地形。
真ん中に高い山ができ、その山が海に囲まれ、その外側に島が並んでいるのです。
海の上の阿蘇山といえば大げさでしょうか。

入り口にあたる道。
何かの花びらが前日からの雨と風で散り落ちています。
昔は展望台までの遊歩道も綺麗にされていたようですが、
いまはもう見る影もありませんでした。

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じょじょに踏み場の悪い道へと変わる中、天候の恵まれない濃霧を進みます。
しばらく進むと霧のなかから鳥居が現れました。
狛犬の姿に遠い時間を感じつつ、まだまだ進みます。

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見落としそうな階段。
急勾配の崩れかけた石階段の先に祠がありました。

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左の屋根に尖って見える千木と言われるものが右側にはありません。
なんの意味があるのでしょうか。
ここを右に折れて階段をさらに進むと展望台への道になりかえってこれません。
素直に戻り道なりに進みます。
突然石垣に守られた大きな日本家屋に出会います。
もう何も気配もないこの大きな大きな日本家屋に、一体どのような生活が営まれていたのか。入る勇気もなく。

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手水の裏に大きな3本の杉の木と、鳥居があったであろう足場の石。
そこを進むと見えてくるのがこの大きなご神木でした。
奥に見えるのが拝殿にあたるそうです。
そして、岩陰にめり込む形で建てられているのが本殿にあたるそうです。

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濃い霧のなか、しばらくの間、人の手が触れていないような場所に感じました。
島前にあたる列島の中心であり、その地形を作り上げた火口。
何百年も前の人の、今には無い知識や経験が、この場所の大切さを守ろうとした何かなのかもしれません。
坂本大貴